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講座
肺機能檢査法・5—ガス・血液分布関係
Pulmonary Function Tests・5--Ventilatton-Perfusin Relationships
笹本 浩
1
,
伊賀 六一
1
HIROSHI SASAMOTO
1
,
ROKUITI IGA
1
1慶応大学医学部内科教室
1School of Medicine, Keio University
pp.89-94
発行日 1954年3月15日
Published Date 1954/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200141
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緒言
肺胞作用は1)ガス分布 2)血液分布3)拡散の三者である。1)「ガス・血液分布関係」(Ventilation-Perfusion Relationships)は,これ等肺胞作用の障碍が,ガス相,血液相の相互に如何なる影響を及ぼすかを量的に算出し,以て肺胞作用の状態を考察するものである。
「ガス・血液分布関係」の概念はCoumand等の考えを基礎とするものである1)10)。彼等は全換気を実際にガス交換に関与する肺胞換気,即ち有効肺胞換気と,ガス交換に与らない換気,即ち死腔換気とに分け,死腔換気の中に解剖学的死腔と,ガス交換に与らな肺胞,即ち,生理学的死腔に於ける換気とを含めた。又,全肺血流を同様に実際にガス交換に与かる肺血流,即ち有効肺血流と,ガス交換に与らない肺血流,即ち静脈性混合とに分け,静脈性混合の中に後述の如き解剖学的静脈混合と,実際にガス交換に与らない肺胞毛細管血流,即ち生理学的静脈混合とを含めた。これに従つて「ガス・血流分布関係」を規定する因子を次の様にした。
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