論説
集團檢査に使用し得る檢査法
福山 富太郞
1
,
佐藤 德郞
1
1國立公衆衞生院 榮養生化學部
pp.3-8
発行日 1952年4月15日
Published Date 1952/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201018
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公衆衞生の最近に進歩した領域として,慢性疾患に力がそゝがれるようになつた。早期に疾患を發見するため,普通に自覺症状なしに働いている人々を對象とし,種々の検査が實驗されるようになり,本誌の海外文献欄に紹介されたようなMultiple screeningとしてこの検査方式が集團的に實施されている。個々の病人を相手にして検査する場合には多少時間のかゝる方法でも良いが集團検査室で多數の試料を扱うときには能率的な方法をえらばなければならない。そのためには検査法が意義あるものであり,容易で,安價で,しかも正確なものであることが必要である。私達はこれをindicatorと呼ぶが,このような方法を使用して數多くの中から疑わしいものを拾い出し,即ちふるい(screen)にかけて,疾病のありそうな人にマークをつけ,この選ばれた人々を更に精密検査にまわして疾病を確める手段をとらなければならない。
検査の手段としては血清,細菌,レントゲン等の技術が入るが,特に臨床検査の部間をとりあげ公衆衞生上採用出來る種類のものを擧げて見たい。臨床検査は臨床部門に使用されることが多かつたため,比較的能率的でないものがあり改良の餘地があるので,私達は種々の検査法を試みて,indicatorとしての性格を持ち得るものを選び出した。
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