Japanese
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講座
肺機能檢査・1
Pulmonary Function Tests・1
笹本 浩
1
Hiroshi SASAMOTO
1
1慶應義塾大學醫學部内科教室
1Medicine, Keio Univ.
pp.31-35
発行日 1953年3月15日
Published Date 1953/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200071
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Ⅰ.はしがき
近時,胸部外科學の發展,麻醉學の進歩,心肺疾患に關する新知見の發見,更に航空醫學或は工業醫學(Industrial Medicine)の發達等に伴い,肺機能に對する關心は急速に高まりつつある状況である。肺機能の問題は主として生理學的見地から研究せられ,最近長足の進歩をとげたが,それに伴い,研究者相互間の概念や定義の喰い違いが起つたり,數學的の表現が複雑となつて屡々混亂を來したりしたので,歐米特に米國に於ては專門の委員會を設立して其の統一を行つた1)2)。之等の新しい概念や定義は,殘念乍ら我が國に於ては未だ此の方面の專門家の間に於てすら未知の部門が少くないと思われる。例えばRespirationに關するFennの論文(Am. J. Med., 10:77, 1951)や,ガス交換に關するRileyの論文(Am. J.Med., 10:210, 1951;J. Appl. Physiol., 4:77,4:102,1951.)等は頗る難解なものであるが,兎に角,米國に於ては此の程度の論文が一般の醫學雑誌に掲載されている状況である。つまり,其の位肺機能に關する知見は米國に於て進んでいるものと思わなければならない。
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