Japanese
English
方法と裝置
痙攣時に於ける腦内血流速度と酸素濃度との關係に就いて
On blood-flow and oxygen concentration in brain cortex during convulsions
望月 政司
1
,
切替 弘雄
1
Masaji Mochizuki
1
,
Hiroo Kirikae
1
1Research Institute of Applied Electricity, Hokkaido Univ.
pp.229-237
発行日 1953年9月15日
Published Date 1953/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200112
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1.緒言
痙攣時の大腦の血行變化に就いての研究は既に古く19世紀から行われており,血管收縮及び其に伴うAnoxiaの状態が時には痙攣の原因とも考えられていた程であつたが,1933〜34年にGibbs & Lennox1)2)は痙攣時に於ける大腦の血流變化に就いての實驗を行ない,それ迄考えられていた樣に血流速度は減少せず,寧ろ逆に増加するという結論を出している。尚其の後も數人3)の研究者に依つて腦内血流速度及び温度が測定されたが,いづれもGibbs等同樣血流速度は痙攣時に於いて増加すると云う結論に到達している。之に反し大腦の酸素濃度はin vivoの實驗では今迄,1944年Mc Culloch5)等に依つて行われているのみであるが,其の報告に依ると酸素濃度は痙攣時に於いて下降するという結果を出しており,血流速度との關聯からすると,當然O2濃度は上昇する筈であるのに,之に反する結果になつており,彼等はこの事實から痙攣に依る腦細胞の激しい活動の結果酸素代謝も盛んになり,O2濃度が減少するのではないかと言う推論を述べている。
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