巻頭言
新らしい肺生理學の確立を
笹本 浩
pp.68
発行日 1953年5月15日
Published Date 1953/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200080
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肺の臨床生理學的研究は最近約10年の間に長足の進歩をとげた。特に英米學脈の研究は從來の古典的肺生理學の域から飛躍的の發展をもたらしたのである。その所以は理論と實驗と裝置の三つが極めて緊密な連係を保ち得たからであろう。之等の新らしい肺生理學の中の數種の概念は,我が國に於ては極めて耳新らしいものもあると思う。それは日本に於けるこれ迄の肺生理學が,他の分野に比して特に遅れが著しい爲である。
今日の新らしい肺生理學は,廣く關係各領域,特に心臓生理學,體液代謝(電解質代謝),酸鹽基平衡,神經生理學,内分泌學等との密接な關連に於て行われているのであるが,一應,肺の本質的な機能だけに限定してみても,凡そ次の如き因子を對象としなければならない(本號のカンフアレンス欄も參照せられたい)。
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