Japanese
English
綜説
血管心臟造影法—其1.技術的方面
Angiocardiography
玉木 正男
1
Masao TAMAKI
1
1岐阜醫大放射線科
1Radiology, Gifu University
pp.69-79
発行日 1953年5月15日
Published Date 1953/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200081
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X線造影劑の血流内注入によつて心臓内腔とそれに接續する血管のX線像を撮影する方法を血管心臓造影法(Angiocardiography,以下A.C.G.と略稱したい)と呼ぶこととする。本造影法は漸く10年余り前から行われるようになつたが未だ完成普及の域に達せず,殊に我國では前途道遠しと云うべき現状にある。
尿管カテーテルを肘部静脈から心臓に初めて送入したドイツのForssmann1)の研究(1929年)に引續いて,此のカテーテルを經て造影劑を注入してX線撮影を行つた報告は二三見られる。即ち同氏2)は沃度ナトリウムを用いて犬の右心内腔を造影,次でポルトガルの、Moniz一門3)では1931年人體に於ける肺動脈の造影に始めて成功して之をAngiopneumographieと呼び,次でスエーデンのRousthoi4)は家兎で總頸動脈から大動脈球部へのカテーテル送入或は大動脈球部の直接穿刺によつて大動脈及び冠状動脈の造影を行い之をAngiokardiographieと稱してはいるが,真に造影を血管から心臓内腔にまで進め得たのはキューバのCastellanos一門と云うべきで,氏等は之をangiocardiographia radiopacaと稱した(1937年自國語で,1938年にはPresse medicale誌上に報告5))。
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