Japanese
English
診療指針
外科手術と強心劑
Surgical Operation and Cardiotonics.
小林 太刀夫
1
Tachio KOBAYASHI
1
1東京大學醫學部美甘内科
1Department of Interner Medicine, Univ. of Tokyo
pp.36-39
発行日 1953年3月15日
Published Date 1953/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200072
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外科手術が順調に實施されるためには,いろいろな困難が克服されねばならない。麻醉・感染防止・シヨック防止・榮養維持の問題,又最近は胸部外科の發展に伴つてアノキシアの問題などがある。これらの中シヨツク防止に屬する循環の調整は主として輸液によつて解決される。こゝに述べんとする強心劑の問題は従來外科領域では餘り有用でなく,従つて又比較的等閑視されたところであるが,近來心臓外科の進展により,心臓病者の心臓に直接侵襲を加える機會がますに従つてその重要性が増大してきている。なお文化の進むと共に人口の年齡構成上老人層が膨れ,それに伴つて心臓病者の數がまし,その人達が一般外科手術をうける機會もふえてきている筈である。今後外科方面に携わるものでも強心劑に對するより深い理解が心要となるし,又内科醫でも心臓病治療の經驗の深い人の外科的手術に對する協力が要求される。
筆者は昭和26年以來,東大福田外科・木本外科の心臓手術とその前後の處置に關與してきたので專問外の領域ではあるが,外科手術と強心劑の問題につき私の考を述べさせて戴く。
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