Japanese
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特集 呼吸器感染症診療の変貌
マイコプラズマ肺炎の画像診断
Radiographic Features of Mycoplasma pneumoniae
宮下 修行
1
Naoyuki Miyashita
1
1川崎医科大学総合内科学1
1Department of Internal Medicine 1, Kawasaki Medical School
pp.743-748
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102534
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はじめに
マイコプラズマは頑固な咳嗽を主症状とし,適切な抗菌薬が投与されない場合,咳嗽はしばしば遷延する1).このため家族内や学校などの小集団内で流行を引き起こすことが大きな特徴とされている.かつては4年周期でオリンピック開催年に大きな流行を繰り返してきたため,“オリンピック病”と呼ばれてきた.しかし,1988年に大きな流行があって以来,全国規模の流行はみられなかったが,2010年から2012年にかけて,わが国のみならず欧州諸国や韓国でもマイコプラズマの大規模な流行が確認された.
マイコプラズマは非定型肺炎の原因菌として最も頻度が高く,小児から若年成人に好発し重症度は軽症から中等症であることが多い2,3).市中肺炎の原因菌としては肺炎球菌に次いで多い微生物であるが2),院内肺炎や医療・介護関連肺炎への関与は低いとされている4).マイコプラズマによる肺炎の診療で重要な点は,細菌感染症において頻用されるペニシリン系やセフェム系など細胞壁を障害する抗菌薬が非定型病原体には無効であり,テトラサイクリン系やマクロライド系薬が有効なことである.
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