今月の主題 肺の炎症性疾患—最近の動向
マイコプラズマとウイルス
マイコプラズマ肺炎
原 耕平
1
,
泉川 欣一
1
Kohei HARA
1
,
Kin-ichi IZUMIKAWA
1
1長崎大学医学部・第2内科
pp.352-354
発行日 1980年3月10日
Published Date 1980/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216437
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マイコプラズマ肺炎とは
1944年Eatonは原発性異型肺炎患者より一種の微生体を分離したが,これはその後の研究によりマイコプラズマの性状を有することが判明した.ヒトから分離される9種類のマイコプラズマのうち,病原性を有するものはMycoplasma Pneumoniae(M. Pneu.)のみとされているが,本菌が肺炎をはじめ,気管支炎,上気道炎をも惹起し,また最近は慢性呼吸器疾患の増悪に関与することも判明してきている.
原発性異型肺炎のうちの30〜40%がM. Pneu. によるとされているが,この肺炎は感染1〜2週後に上気道症状やときには全身症状をもって発症し,咳嗽,喀痰,発熱を主症状として,胸部X線上主として両側下肺野に淡い均等影を示し,比較的軽微な経過をとって改善をみる疾患である.しかし時として経過中に種々の合併症を併発して,有効な薬剤の投与に拘らず長期にわたって排菌を認めたり,症状が持続することもある.
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