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特集 心臓病における核医学検査の進歩
循環器領域の放射性薬剤の進歩
Progress in Radiopharmaceutical Researches for Cardiovascular Diseases
久下 裕司
1
Yuji Kuge
1
1北海道大学アイソトープ総合センター
1Central Institute of Isotope Science, Hokkaido University
pp.1001-1007
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102337
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はじめに
循環器領域の核医学検査では,Tl-201塩化タリウム(201Tl-TlCl)や99mTc-tetrofosmin,99mTc-MIBIといった放射性薬剤を用いる心筋血流SPECTが中心的な役割を担っている.最近,F-18で標識したPET用の心筋血流製剤が報告され,注目を集めている.循環器領域では,これらの血流製剤に加え,123I-BMIPPをはじめとする心筋代謝測定用の放射性薬剤も重要な役割を担っている.他方,近年の病態生理学的研究の成果により,多くの疾患の成因や病態の分子機構が明らかになってきた.循環器領域においても,神経伝達・受容体機能,アポトーシスや血管新生など,疾患特異的な病態像や疾患の分子機構に深く関わる因子・分子の特異的なイメージングが注目され,これらに関する放射性薬剤の開発が進んでいる.循環器疾患の診断に用いられる代表的な放射性薬剤を表1に示した.
ここでは,循環器領域における新しい放射性薬剤の開発の現状を紹介するとともに,放射性薬剤開発の今後の方向性について述べる.
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