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特集 薬剤性肺障害の臨床
抗悪性腫瘍薬による薬剤性肺障害
Drug Induced Lung Disease(DILD)by Anti-cancer Agents
加藤 晃史
1
Terufumi Kato
1
1神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Kanagawa Cardiovascular and Respiratory Center
pp.335-340
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102192
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はじめに
抗悪性腫瘍薬による薬剤性肺障害は肺癌治療薬ゲフィチニブの肺障害から広く認識が深まり,以降多くの薬剤においてそのリスクについて積極的に評価をされるようになった.抗悪性腫瘍薬による薬剤性肺障害は薬剤などにより若干の差はあるが,常に致死的となる重篤性を有している.一方,癌薬物療法は,その多くが完治に至ることが難しい姑息的治療であるものの,ほかに治療選択がない状況で用いられることも多い.抗悪性腫瘍薬を使用する際には常にベネフィットとリスクのバランスを検討することが必要であるが,薬剤性肺障害に関してもより正確な情報を把握し,患者と共有したうえで治療選択をすることが癌治療に関わる医療者に広く求められるようになってきた.
本稿では近年得られてきた知見をもとに,抗悪性腫瘍薬による薬剤性肺障害の現況について概説する.
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