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特集 特発性間質性肺炎を見直す―特発性間質性肺炎臨床の最新知見
膠原病に合併する間質性肺炎
Interstitial Lung Disease Associated with Connective Tissue Disease
小林 朋子
1
Tomoko Kobayashi
1
1日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野
1Division of Respiratory Medicine, Department of Internal Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.160-165
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102154
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はじめに
2002年ATS/ERS国際的多合議分類の確立以降,特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias;IIPs)の組織分類が全身性疾患である膠原病に合併する間質性肺炎にも適応され,組織分類が見直された1).膠原病肺は自己免疫性病態を背景に発症する肺の組織反応であり,自己免疫性炎症という内因性病態を主とする膠原病肺と,肺にのみ病変を形成する原因不明の間質性肺炎が間質性肺炎の炎症病態において共通の表現型をとることは興味深い.特発性との緻密な線引きや臨床面の比較には限界があるものの,基礎となる各膠原病の病態,疫学情報や治療の進歩により明らかになってきた臨床的特徴を知ることは,膠原病肺を理解し対応するうえで重要である.膠原病の間質性肺炎は過去に各膠原病で多くの報告があり2~4),膠原病肺の臨床研究と並行して,特発性の一群が整理されてきたと言っても過言ではない.また,1994年にKatzensteinにより提唱されたNSIPは基礎疾患に膠原病例が含まれており,膠原病に合併する間質性肺炎の組織所見としての重要性が広く認識された5).分類上は同様の組織所見であっても,その臨床経過と予後は基礎となる膠原病により異なり,多彩な肺・気道病変,肺血管病変が合併する.他臓器病変,臨床経過を評価しつつ,どの症例に,どのタイミングで積極的な治療介入を行い,肺病変の安定を維持するかが課題である.本稿ではUIPパターンの比較的多い全身性強皮症の間質性肺炎を中心に解説する.
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