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特集 糖尿病と心血管疾患:インクレチン導入後を検証する
DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬:その相違と使い分け
DPP-4 Inhibitors and GLP-1 Receptor Agonists:Difference between Two Drugs in Pharmacological and Clinical Effects
亀井 信二
1
,
加来 浩平
1
Shinji Kamei
1
,
Kohei Kaku
1
1川崎医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科学
1Division of Diabetes and Endocrinology, Department of Medicine Kawasaki Medical School
pp.19-26
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102129
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はじめに
従来の糖尿病薬物治療における問題点として,1)長期的な良好な血糖コントロールの維持が困難,2)低血糖,3)治療介入による肥満助長,4)長期使用による膵β細胞の疲弊,などが挙げられる.近年,2型糖尿病の病態改善にインクレチンが深く関与することが明らかになり,インクレチン作用を高める薬剤として,いわゆるインクレチン関連薬が登場し,前述の既存治療薬の問題点が解決可能となり得る状況となり,2型糖尿病薬物治療に革新的変化,すなわち“パラダイムシフト”が起きつつある.
インクレチン関連薬は経口薬であるDPP-4(dipeptidyl-peptidase 4)阻害薬と,注射薬であるGLP-1受容体作動薬に大別される.前者はシタグリプチンが2009年12月に発売されたのを皮切りに,現在までに5製剤が,後者は2010年6月発売のリラグルチド,同年12月発売のエキセナチドの2製剤が使用可能な状況である.
本稿では,DPP-4阻害薬やGLP-1受容体阻害薬の特性,各薬剤間の相違点,これら薬剤の使い分けについて概説したい.
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