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第5土曜特集 糖尿病治療・研究の最前線2021
治療法
DPP-4阻害薬,GLP-1受容体作動薬の適正使用のポイントと使い分け
How to best use DPP-4 inhibitors and GLP-1 receptor agonists
窪田 創大
1,2
,
加藤 丈博
1
,
矢部 大介
1,2,3
Soudai KUBOTA
1,2
,
Takehiro KATO
1
,
Daisuke YABE
1,2,3
1岐阜大学大学院医学系研究科内分泌代謝病態学
2関西電力医学研究所糖尿病研究センター
3神戸大学大学院医学研究科分子代謝医学
キーワード:
インクレチン関連薬
,
GLP-1受容体作動薬
,
DPP-4阻害薬
Keyword:
インクレチン関連薬
,
GLP-1受容体作動薬
,
DPP-4阻害薬
pp.530-535
発行日 2021年1月30日
Published Date 2021/1/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27605530
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インクレチンの作用に基づく糖尿病治療薬であるDPP-4阻害薬,GLP-1受容体作動薬はこの10年間,国内外の糖尿病診療を大きく変革してきた.DPP-4阻害薬は非肥満,インスリン分泌不全を特徴とする日本人を含む東アジア人の2型糖尿病において,他民族と比べて血糖改善効果が大きい.低血糖リスクも少なく,高齢者や合併症の進行した患者でも使いやすいため,治療中の糖尿病患者の7割に使用されている.一方,GLP-1受容体作動薬は,血糖改善効果に加えて減量効果を有することから,近年,増加傾向にある若年肥満2型糖尿病に用いられることが多い.とくに心血管イベントや腎イベントの抑制効果が示されたこと,また週1回注射製剤に加え,経口薬が登場し,今後,より多くの糖尿病患者に使用されると期待される.水疱性類天疱瘡の頻度はきわめてまれであり,急性膵炎に留意してDPP-4阻害薬を使用する必要があるが,過去10年間で,DPP-4阻害薬,GLP-1受容体作動薬ともに一定の安全性が確認されている.DPP-4阻害薬,GLP-1受容体作動薬の使い分けについて,今後,患者の生活の質(QOL)や医療経済学的観点からも引き続き検討が重要である.
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