Japanese
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特集 呼吸器における画像診断の最新の動向
閉塞性肺疾患におけるCT画像診断
CT Images of COPD
龍神 慶
1
,
中野 恭幸
1
Yasushi Ryujin
1
,
Yasutaka Nakano
1
1滋賀医科大学内科学講座呼吸器内科
1Division of Respiratory Medicine, Department of Internal Medicine, Shiga University of Medical Science
pp.1165-1174
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101839
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はじめに
今日の呼吸器疾患の臨床現場においては様々な検査が行われるが,なかでもわが国の臨床現場では特に胸部CT(computed tomography)が重要な役割を担っている.胸部CTによって得られる情報は非常に多岐にわたり,肺炎やCOPD(chronic obstructive pulmonary disease)といったcommon diseaseから比較的稀な疾患まで,ほぼすべての呼吸器疾患において大いに活用されている.
日本では高齢化に伴いCOPD患者数が増加しており,適切な診断・管理のためには各種画像検査,特に胸部CTの撮像が必要不可欠である.COPD診療における世界的なスタンダードであるGOLD(The Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)1)でも,炎症が主に肺胞で起こり構造破壊に至る「肺気腫」タイプと,末梢気道を中心に生じる炎症が中枢へと波及する「気道病変」タイプがあると言及しており,2009年に日本呼吸器学会から発表された「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン」2)においても胸部CTについては詳細な記載がなされている.
胸部CTの技術は年々目覚ましい向上を遂げ,高分解能CT(high resolution CT;HRCT)では数mmといった微細な肺の構造まで描出できるようになり,気腫性変化や気道病変の評価が進んでいる.COPD診療の現場においては胸部CTの負う役割が日に日に増しており,本稿では近年の動向や今後の可能性についても解説する.
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