巻頭言
宣誓
湊口 信也
1
1岐阜大学医学部循環病態学・呼吸病態学(第二内科)
pp.745
発行日 2011年8月15日
Published Date 2011/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101760
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新臨床研修制度の導入に伴い,地方の大学病院より都市部の総合病院を目指す研修医が増加した.彼らは一刻も早い医療技術の習得を目指し,臨床研修に励んでいる.臨床医を志す以上,豊富な臨床経験と優れた医療技術の習得は必須であり,これらを有する臨床医が患者にもたらす恩恵は計り知れない.一方,臨床の現場では,従来の考え方,治療法ではどうにも歯がたたない病気が存在するのも事実である.このような場合,医師はその問題点を挙げ,病気の本質を解明し,その治療法を開発する必要に迫られる.つまり,この問題を解決するためには研究を行うことが必須となるのである(from bedside to bench).研究によって,病気のメカニズムを解明し,その本質を理解することにより治療方法が考案される.その結果,新しい治療法が臨床の現場で応用されることになり,多くの患者が救われることなる(from bench to bedside).すなわち,医療においては“from bedside to bench”と“from bench to bedside”の両立が必要なのである.
昨年,私の恩師である岐阜大学名誉教授,元岐阜大学第二内科教授の平川千里先生がご逝去された.先生の御著書の中に,若い頃に留学されていたハーバード大学のSociety of Fellowsの入会にあたって行われる宣誓の文章が紹介されている.以下に平川先生の訳文を紹介させていただく.
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