Japanese
English
綜説
大動脈ステントの適応
Indication of Stent-grafing for the Treatment of Aortic Diseases
加藤 憲幸
1
,
井内 幹人
1
,
茅野 修二
1
Noriyuki Kato
1
,
Mikito Iuchi
1
,
Shuji Chino
1
1三重大学医学部附属病院血管内治療センター
1Department of Radiology, Mie University Hospital
pp.295-304
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101658
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はじめに
2006年に腹部大動脈瘤治療用のデバイスとして,Cook社製のZenithが厚生労働省の承認を得て以来,大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術は急速に普及している.現在本邦では年間8,000例強の腹部大動脈瘤症例が手術を受けているが,このうちの約40%,3,000例がステントグラフト内挿術で治療されている.一方,胸部大動脈瘤治療用デバイスの承認は2008年とやや遅れたが,現在年間1,500例がステントグラフト内挿術を受けており,胸部下行大動脈瘤の大半が本法で治療されていることになる(図1,2)1,2).このように,腹部大動脈疾患,胸部大動脈疾患のいずれの治療においても,ステントグラフト内挿術は標準的術式の一つとして確立されたといえる.しかし,ステントグラフト内挿術ではすべての症例が適応となる訳ではなく,人工血管置換術に比べると症例が限定されることも事実である.
本稿では,腹部大動脈疾患,胸部大動脈疾患におけるステントグラフト内挿術について,その適応を中心として解説する.
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