Japanese
English
Bedside Teaching
内科医がみる成人先天性心疾患のポイント
Adult Congenital Heart Disease for Cardiologists
白石 公
1
Isao Shiraishi
1
1国立循環器病研究センター小児循環器部
1Department of Pediatric Cardiology, National Cerebral and Cardiovascular Center
pp.623-632
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101500
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はじめに
近年の小児期における先天性心疾患の診断および手術手技の目覚ましい進歩により,複雑な先天性心疾患を含めた95%以上の患者が救命可能となった.また,小児期の術後経過も概ね良好であり,患者の90%以上が成人期に達するようになった.したがって,先天性心疾患は小児科だけでなく循環器内科においても重要な診療領域となりつつある(図1)1).しかしながら,小児期に順調に経過した先天性心疾患患者も,成人期に入り年齢を重ねるにつれ,遺残病変や続発症のために新たな様々な問題が生じる.重症度により,慢性心不全や難治性不整脈に加えて,チアノーゼ,血栓塞栓症,肝硬変,蛋白漏出性胃腸症など様々な病変が発症する.さらに女性では,妊娠や出産に際し,母体心臓への負担とともに胎児へのリスクが加わる.
本稿では,代表的な「成人先天性心疾患」の病態とその診療におけるポイントについて簡潔に紹介する.なお,成人先天性心疾患の詳細は成書1,2)ならびにガイドライン3,4)を参照されたい.
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