REVIEW & PREVIEW
成人先天性心疾患
丹羽 公一郎
1
1聖路加国際病院循環器内科
pp.174-177
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107300
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最近の動向
内科の一分野として
成人先天性心疾患(adult congenital heart disease:ACHD)の患者数は現在約45万人であり,今後約5%の割合で増加し続けると予想されている.本疾患は小児循環器科医が経過観察を続けていることが多かったが,患者が成人になれば,成人に適した管理方法,診療体制を構築することが必要である1).米国のAmerican Board of Internal Medicine(ABIM)では,ACHDを内科の専門分野の1つと認めており,2~3年以内には専門医制度が発足する2).わが国においても,日本循環器学会の学術委員会に成人先天性心疾患部会が設立され,今後,この分野の普及活動が行われる.また,循環器内科を中心とした「ACHD循環器内科ネットワーク」が新たに形成され,現在,25を超える施設で循環器内科医によるACHDの専門診療を開始している3).このような内外の動向をみると,ACHDは近い将来に,内科の一分野となることが予想される.
さらに,日本成人先天性心疾患学会では教育講演,成人先天性心疾患セミナー,成人先天性心疾患症例検討会が定期的に開かれ,若い医師,医療従事者の教育に力を入れている4).成人先天性心疾患学会が独自に学術集会を持っているのは日本だけである.
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