Japanese
English
特集 冠動脈画像診断の進歩―冠動脈CTの現状と将来
冠動脈CTによる石灰化病変の検出と臨床的意義
Assessment of Coronary Artery Calcification by Cardiac CT
吉岡 邦浩
1
,
田中 良一
1
Kunihiro Yoshioka
1
,
Ryoichi Tanaka
1
1岩手医科大学附属病院循環器医療センター循環器放射線科
1Cardiovascular Radiology Memorial Heart Center, Iwate Medical University Hospital
pp.463-469
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101473
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
CTは冠動脈の石灰化を造影剤を用いることなく,簡便かつ非侵襲的に描出することができる.また,冠動脈の石灰化は動脈硬化の有無や重症度と相関があることが知られており,冠動脈硬化を評価する確立された指標の一つと考えられている1).冠動脈石灰化のCTによる評価はすでに20年以上の歴史があるが,それには電子ビーム式CT(electron-beam tomography;EBT)が専ら使われてきた.EBTはX線管球の回転という機械的方式を用いずに,電子線を電気的に制御することで1スライス当たり0.1秒という超高速での撮影を可能とした.しかし,EBTは適応が可能な領域が限られていることと,加えて高価であったことから一般に広く行きわたるには至らなかった.その一方で,近年のマルチスライスCTの進歩によって,マルチスライスCTでもEBTと同様に冠動脈石灰化の評価が可能なことが明らかになった2).冠動脈のCT血管造影(CTA)の普及も相まって,CTによる冠動脈石灰化の評価を臨床に取り入れる施設も増えている.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.