Japanese
English
特集 冠動脈画像診断の進歩―冠動脈CTの現状と将来
冠動脈CTによる冠狭窄の診断精度―64列CTでの現状
Diagnostic Accuracy of 64-Slice Computed Tomography in Coronary Artery Disease
児玉 隆秀
1
,
近藤 武
1
Takahide Kodama
1
,
Takeshi Kondo
1
1高瀬クリニック
1Takase Clinic
pp.455-461
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101472
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
64列MDCT(multi-detector row CT)が普及してから冠動脈CTの非侵襲的診断は格段に進歩し,従来の冠動脈造影検査(coronary angiography;CAG)に匹敵するほどになってきた1).当院では64列MDCTを導入してから,CAGの件数は約1/4に激減しており,CAGに代わりうるツールとして活用している(図1).CAGに代わりうるツールとしての最も重要な条件は,言うまでもなく診断精度が高く被ばく量が少ないことである.また,冠動脈CTではCAGでは得られなかった冠動脈壁のプラークの情報が得られる.現時点ではCAGをゴールドスタンダードとし診断精度を比較することが多いが,今後はMDCTの所見をスタンダードとし,その検証をCAGとそれに付随する血管内超音波(intravasculor ultrasound;IVUS)や血流予備能(fractional flow reserve;FFR)で行うような時代が来るかもしれない.
本稿では,現時点での64列MDCTのモダリティとしての性能およびCAGと比較した場合の診断精度,さらにはCAGに代わりうるツールとしてのMDCTの可能性や優位性について述べる.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.