連載 Medical Scope
慢性腎臓病における冠動脈石灰化
藤井 秀毅
1
1神戸大学大学院医学研究科腎臓内科学/腎・血液浄化センター講師
pp.48-52
発行日 2023年8月10日
Published Date 2023/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.40.02_0048-0052
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慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)における大きな問題は、心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)を高率に合併することである。そのCVDのなかの一つであるのが、冠動脈疾患であり、CKDではその病態は非常に複雑である。これに影響を及ぼす因子が石灰化であり、大きく分けて内膜石灰化と中膜石灰化に分けられる。内膜石灰化はいわゆる血管イベントに関係し、中膜石灰化は心臓の後負荷および微小循環障害に関係することが推測される。CKDではこれらの石灰化が併存することが多く、これが複雑な病態を形成している理由と考えられる。ここでは、CKDにおける冠動脈石灰化に関して、その病態、臨床的特徴を述べたいと思う。
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