Japanese
English
特集 冠動脈画像診断の進歩―冠動脈CTの現状と将来
急性冠疾患の診断における冠動脈CTの位置付け
A Role of Coronary CT in Acute Coronary Syndrome
古賀 久士
1
,
川崎 友裕
1
Hisashi Koga
1
,
Tomohiro Kawasaki
1
1新古賀病院心臓血管センター
1Cardiovascular Center, Shin-Koga Hospital
pp.481-487
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101476
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
従来,冠動脈疾患の診断法のゴールドスタンダードは,カテーテルを用いた侵襲的冠動脈造影であった.しかし,近年多列化された検出器を持つCT(MDCT)が登場し,その急速な多列化やガントリーの回転速度の向上および画像再構成法の進歩により冠領域においても冠動脈病変の描出能は飛躍的に向上し,その非侵襲性・簡便性も相まって日常臨床の場へ広く浸透してきた.その活用範囲は冠動脈病変のスクリーニングはもとより,プラークの性状評価や,治療後(ステント留置後,バイパス術後や積極的薬物介入後など)のフォローおよび予後評価に至るまで多岐に及ぶ.
しかしながら,急性冠症候群(acute coronary syndrome;ACS)の診断への活用の是非に関しては,疾患の特殊性(緊急性)からいまだ議論の多いところである.本稿ではACSの診断における冠動脈CTの位置付けについて当院での経験をもとに概説する.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.