今月の主題 感染症—最近の話題
感染と修飾
免疫抑制剤と感染
中村 健
1
1帝京大小児科
pp.1206-1207
発行日 1975年7月10日
Published Date 1975/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206131
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はじめに
免疫抑制剤の開発によって,自己免疫疾患の治療,移植免疫における拒絶反応の抑制およびアレルギー疾患の治療などに免疫抑制療法が広く行われるようになり,医療の進展に大いに寄与している.その反面,易感染,骨髄造血機能障害,腫瘍発生との関連性などの副作用が問題となっている.近年,免疫抑制剤を使用する機会が増加し,これに伴って,医原性の免疫不全状態を招来する条件がふえてきている.それだけにとどまらず,易感染の条件をふやしてきていることにもなる.
免疫抑制療法に伴う感染症には細菌性,真菌性およびウイルス性のものがある.通常みられる感染症のほかに,宿主側の感染に対する抵抗性の低下により比較的病原性の弱い微生物による感染-Opportunistic or unusual infectionを惹起し,時に致死的な経過をとるものがある.
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