Japanese
English
綜説
スパスム
Pathophysiology of Coronary Vasospasm
安田 聡
1
,
下川 宏明
1
Satoshi Yasuda
1
,
Hiroaki Shimokawa
1
1東北大学大学院医学系研究科循環器病態学
1Department of Cardiovascular Medicine, Tohoku University School of Medicine
pp.299-305
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101445
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冠攣縮とは
冠攣縮とは,心臓の表面を走行する比較的太い冠動脈が異常に収縮して心筋の虚血を来す場合と定義される.最近の研究では,微小循環系においても同様の機能的異常が生じ得ることが報告されている.血液の供給異常を主体として心筋虚血を惹起する(supply ischemia/primary angina)(図1)ため,多くの場合,先行する血圧や心拍数の上昇,すなわち心筋酸素消費量の増大を必ずしも伴わない.この点で労作性狭心症に代表されるdemand ischemia/secondary anginaとは区別される病態である1,2).図2にアセチルコリン冠動脈内投与による冠攣縮誘発試験の代表例を示す.冠攣縮とは機能的障害を主体とする病態であることが分かる.
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