Japanese
English
特集 循環器疾患と地域連携
EBMに基づく循環器(急性心筋梗塞)地域連携クリニカルパス
A Clinical Pathway Based on EBM of Acute Myocardial Infarction for the Regional Alliances
横山 正一
1
Masakazu Yokoyama
1
1千鳥橋病院循環器科
1Department of Cardiology, Chidoribashi Hospital
pp.47-55
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101183
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
第5次医療法改正による新地域医療計画において4疾病(脳卒中,癌,急性心筋梗塞,糖尿病)5事業(小児医療,周産期医療,救急医療,災害医療,僻地医療)の地域連携クリニカルパスを活用した医療連携体制が構築され,そのクリニカルパスを用いることにより,地域中核病院・連携医療機関・患者の三者が治療目標を共有することが可能となり,患者の生命予後がさらに改善する可能性がある.経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention;PCI)により急性期を乗り越えた急性心筋梗塞後の患者生命予後を改善するには,冠危険因子である脂質異常症,高血圧症,糖尿病の薬物療法によるコントロール,心臓リハビリテーションを含めた運動療法や食事療法,ならびに禁煙が重要であることはいうまでもない.急性期における可及的速やかなPCI治療により,急性心筋梗塞患者の予後が改善することは明らかであるが,あくまでも局所治療であり,退院後の連携医療機関(かかりつけ医)による患者の全身管理が極めて重要となる.また,今日において全ての疾患に対しEBM(evidence-based medicine;科学的根拠に基づく医療)に基づいた医療が遂行されるべきであり,地域連携クリニカルパス作成にもEBMを基盤にしなければならない.幸運なことに,循環器科疾患の治療,管理ガイドラインは様々なEBMに基づいて確立されており,標準的な心筋梗塞患者管理が可能である.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.