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Current Opinion
急性心筋梗塞症のクリニカルパス
Clinical Pathway for Management of Patients with Acute Myocardial Infarction
大塚 頼隆
1
,
宮崎 俊一
1
Yoritaka Otsuka
1
,
Shunichi Miyazaki
1
1国立循環器病センター心臓内科CCU
1Division of Cardiology, Department of Internal Medicine, National Cardiovascular Center Hospital
pp.609-616
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100675
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最近の急性心筋梗塞のクリニカルパスをめぐる話題
急性心筋梗塞症に対する血栓溶解療法および経皮的冠動脈形成術(PCI)による早期再潅流療法は,死亡率および合併症を減少させ,現在確立した急性期の治療法となっている.急性期死亡率や合併症の減少に伴い早期退院が可能となった.一方で,高度医療が進めば高額な医療費が必要となる.わが国では,高齢化社会の進行とともに医療費は増大し,例外なく罹患率の高い循環器診療のあり方にも医療経済上注目されている.わが国の医療経済は緊迫しており,不必要な治療や入院期間の延長は許されない現状にある.よって,現在は医療の質を維持または向上させ,医療コストは軽減させる効率的な医療が求められている.このことを実現するために用いられているのがクリニカルパス(Clinical Pathway)である1).
クリニカルパスは,クリティカルパス(Critical Pathway)やケアパス(Care Pathway)という別名でも知られている.元来,クリニカルパス手法は1950年代から製油や化学産業のプロジェクト管理目的で使用されていたが,現在では医療現場で定着しつつある.医療現場でのクリニカルパスは,患者のための目標(アウトカム)を設定し,最善の効率でその目標に到達するために適切な時期に評価(アセスメント)および行動(タスク)をできるように示したmanagement planである2).
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