Japanese
English
Bedside Teaching
循環器疾患における地域連携クリニカルパス
Clinical Paths for Cardiac Disease Patients: Between home doctor and cardiologist in hospital
久保 貴昭
1
,
水谷 知康
1
,
深谷 英平
1
,
品川 弥人
1
,
和泉 徹
1
,
渡部 千代子
2
,
大塚 亜紀子
2
,
長嶺 ひろみ
2
Takaaki Kubo
1
,
Tomoyasu Mizutani
1
,
Hidehira Fukaya
1
,
Hisahito Shinagawa
1
,
Tohru Izumi
1
,
Tiyoko Watanabe
2
,
Akiko Ohtsuka
2
,
Hiromi Nagamine
2
1北里大学医学部循環器内科
2竹田綜合病院看護部
1Department of Angiocardiology, Kitasato University School of Medicine
2Takeda General Hospital
pp.667-673
発行日 2007年6月15日
Published Date 2007/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100820
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背景
今回,対象フィールドとなった財団法人竹田綜合病院は福島県会津若松市にあり,病床数1,097の大型地域中核病院に属する.福島県は日本の都道府県中3番目に広い面積を有しており,大まかな地勢として,浜通り,中通り,会津の3地域に分かれる.このなかで,会津は会津若松市を中心とし,周辺市町村を積算すると約32万人の地域周辺人口を数える.福島県の約半分の面積を占めており,この広大な面積に対しての人口密度は151.7人/km2(全国平均342.7人/km2)と少なく,また老年人口割合も進行しており,65歳以上の占める割合は22.7%で全国平均20.1%を超えている1).過疎地域では医師不足が続いており,そのため会津若松市に存在する基幹病院までの定期通院を強いられる患者が後を絶たない.彼らは片道2時間以上の通院を余儀なくされる.しかも外来予約制度が整備される以前は,病院での待ち時間が1時間以上かかることも稀ではなかった.通院自体が1日を要する大仕事として患者の負担となっていた.また,高齢者では単独で通院できないことも多い.そのため,家族を動員しての通院となり,家族の負担を増していた.更に,冬季は豪雪により道路や電車が不通となってしまう.このために診察前日に病院近くに宿泊する患者さえもいた.これらの事実が医療サイドの前に大きな疑問,解決すべき課題として横たわっていた.
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