Japanese
English
特集 肺癌診療の進歩
肺癌化学療法―わが国の標準療法
Lung Cancer: Standard Chemotherapy in Japan
西島 伸彦
1
,
久保田 馨
1
Nobuhiko Nishijima
1
,
Kaoru Kubota
1
1国立がんセンター東病院呼吸器科
1Division of Thoracic Oncology, National Cancer Center Hospital East
pp.1229-1234
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101164
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はじめに
進行肺癌に対する化学療法の意思決定における最も重要な因子は組織型であり,大きく小細胞肺癌(small cell lung cancer;SCLC)と非小細胞肺癌(non-small cell lung cancer;NSCLC)に分けられる.SCLCは一般に進行が速く,発見時には約2/3の患者に遠隔転移を認める(進展型).一方,抗癌剤や放射線に感受性が高く,併用化学療法がSCLC治療の礎石である.
1970年代まではNSCLCに対する有効な化学療法は存在しなかったが,1980年以降,シスプラチン(CDDP)を含む化学療法の有効性が報告され,1995年にはNon-Small Cell Lung Cancer Collaborative GroupがCDDP併用の化学療法有無のメタ解析を行い,化学療法群の生存期間が有意に延長することを報告した1).現在でもCDDPを中心としたプラチナ製剤を含む併用化学療法が進行NSCLCに対する標準治療である.
本稿では,SCLC/NSCLC別に化学療法の歴史,およびそれに基づく現在の標準化学療法について述べる.
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