書評
―河野 茂,早田 宏 編―レジデントのための呼吸器診療マニュアル
永井 厚志
1,2
1東京女子医科大学
2東京女子医科大学病院・呼吸器内科
pp.1186
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101158
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このたび,医学書院から『レジデントのための呼吸器診療マニュアル』が上梓された.本書は大変ユニークな日常診療への実践書である.冒頭に編者は,“医学は再び長崎から”と付言し,本書の作成に当たる意気込みを吐露している.その思いは,ポンぺ・ファン・メールデルフォートがわが国の西洋近代医学教育として長崎医学伝習所(現長崎大学医学部)で患者中心の臨床教育を最初に行った史実にあったであろう.
これまでにも多くのマニュアルやハンドブックが作成されてきた.その構成は,症候や疾患を網羅的に取り扱い,整然とした記載内容はミニ成書の類であった.しかし,本書は大きく異なっている.まず第1章「疾患・症状のマネージメント」で目にするのは,“○○の疾患に出あったとき”や“○○症状をみたら”といった日常的に交わされる指導医とレジデントの会話が項目になっていることである.
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