書評
―河野 茂,早田 宏 編―レジデントのための呼吸器診療マニュアル―第2版
西村 正治
1
1北大大学院・呼吸器内科学
pp.1014
発行日 2014年6月10日
Published Date 2014/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107627
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
本書は2008年3月に初版が上梓され,2014年1月に改訂第2版として発行された.初版の序に「医学は再び長崎から」とあるように,著者は長崎大病院第二内科出身の諸先生による.文字通りレジデントのためのマニュアル本であるが,ただのマニュアル本と言うなかれ! その内容の充実ぶりは素晴らしく実に使いやすい.目次は,「A疾患・症状のマネジメント」「Bチーム医療のために」「C基本的な検査のポイント」「D治療のアプローチ」「E臨床に役立つエッセンス」と章立てされている.その内容を個々に見ると実にうまく工夫されている.
呼吸器疾患を順に並べたマニュアル本とは異なり,「A疾患・症状のマネジメント」では,患者の主観的訴え,検査上の客観的症候,そして,市中肺炎,インフルエンザ,喘息,COPDなどのいわゆるcommon diseaseがA1~A22までバランス良く並んでいる.診療に応じて知りたい項目が選びやすい.個々の項目は実際の診療の流れに沿ってポイントがわかりやすく解説されている.「Bチーム医療のために」では,今回の改訂で加筆された「他科から術前評価を依頼された際の注意」「妊婦の呼吸器疾患を診療するときの注意」「Infection control team」などの項が並び,この本の際立った特徴となっている.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.