Japanese
English
Bedside Teaching
咳感受性検査―方法と評価
Inhalation Cough Challenge: Methodology and interpretation
新実 彰男
1
,
竹田 知史
1
Akio Niimi
1
,
Tomoshi Takeda
1
1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
1Department of Respiratory Medicine, Graduate School of Medicine, Kyoto University
pp.1153-1157
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101150
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
咳嗽誘発物質の吸入により惹起される咳を評価する咳感受性検査は,種々の疾患の比較や病態・背景要因との関連についての横断的研究,治療薬の効果に関する縦走的研究ともに数多くの報告がなされている.モルモットなどの動物を用いた基礎実験においても咳感受性試験は咳を評価するための基本的手段であり,咳嗽研究には欠かせない方法論であるといえる1,2)(図1).ただし,ヒトにおける咳感受性亢進には疾患特異性は乏しく,性差(女性で亢進)3,4)や遺伝子多型5,6)にも影響されるため,同じ疾患でも健常人間でも個体差が大きい(図2)2).同一症例での介入前後の測定は効果判定に有効であり臨床にも応用しうるが,横断的な測定の診断的意義は小さい.したがって,少なくとも現時点では研究目的の意味合いが強い試験であることを理解しておく必要がある1,2).
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.