Japanese
English
Current Opinion
抗インフルエンザウイルス薬―効果と副作用を中心に
Antiviral Drugs for Influenza: Efficacy and adverse effects
川名 明彦
1
Akihiko Kawana
1
1国立国際医療センター国際疾病センター
1Disease Control and Prevention Center, International Medical Center of Japan
pp.311-315
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101003
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抗インフルエンザ薬をめぐる最近1年間の話題
日本で現在使用可能な抗インフルエンザウイルス薬(抗インフルエンザ薬と略す)には,アマンタジンとノイラミニダーゼ阻害薬(オセルタミビル,ザナミビル)がある.ノイラミニダーゼ阻害薬の治療効果は,A型に比しB型で低いこと,B型についてはザナミビルのほうがオセルタミビルより治療効果が高いこと,が示された.ノイラミニダーゼ阻害薬耐性インフルエンザウイルスはまだ少ないが,アマンタジン耐性ウイルスはここ数年急激に増加し,特にA/H3N2に対してはすでに効果が期待できない状況にある.2007年には,オセルタミビルと「飛び降り」などの異常行動との関係が注目され,日本では現在10歳代の患者への同薬の使用を控えるよう勧告されている.同薬と異常行動との因果関係については基礎的・臨床的・疫学的に研究が進められているが,まだ結論は出ていない.鳥インフルエンザ,新型インフルエンザ治療における抗インフルエンザ薬の位置付けも議論されている.
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