Japanese
English
綜説
JCAD Ⅱ―強化療法を中心に
The Japanese Coronary Artery Disease Study Ⅱ(JCAD Ⅱ):Are intensive therapies effective?
興梠 貴英
1
Takahide Kohro
1
1東京大学大学院医学系研究科健康医科学創造講座
1Department of Translational Research for Healthcare and Clinical Science, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
pp.166-171
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102156
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はじめに
近年,冠動脈疾患(coronary artery disease;CAD)患者に対する治療は侵襲的治療,薬物治療ともに進歩している.しかし,慢性期における二次予防については治療法の発達にもかかわらず未だ残存リスクが十分低減しきれていない.
欧米で施行された多数の臨床試験の結果,高LDLコレステロール(LDL-C)血症については,LDL-Cを低下させるほど心血管イベントリスクが減少することが示されてきた1).一方,高血圧についてもJSH2004では慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD),糖尿病など高リスク患者はより厳格な降圧目標を定めていた.
2000~2004年にかけて日本で行われたCAD患者の観察研究JCADにおいて,様々な治療を行っているにもかかわらず,心血管イベント発生率が千人年当たり約63人と高いことが示され2),さらにリスクを低減するために高LDL-C血症,高血圧の厳格治療を同時に行うことの有効性を日本で初めて検討する目的でJCAD Ⅱ研究が行われた.
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