Japanese
English
特集 人工呼吸管理をめぐって
人工呼吸関連肺炎
Pathogenesis, Diagnosis and Treatment of Ventilator-associated Pneumonia(VAP)
小竹 良文
1
Yoshifumi Kotake
1
1慶應義塾大学医学部麻酔学
1Department of Anesthesiology, Keio Universiity School of Medicine
pp.1103-1111
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100901
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はじめに
本稿のトピックである人工呼吸関連肺炎(ventilator-associated pneumonia;VAP)は気管挿管から48時間経過後に発生する肺炎と定義されている.また,関連する概念としてHAP(hospital-aquired pneumonia),HCAP(healthcare-associated pneumonia)がある.HAPは入院時にincubationがない患者において入院後48時間以降に発症する肺炎を指し,HCAPは90日以内に2日以上急性期医療機関に入院した既往のある患者,介護施設入所中の患者,30日以内に抗菌剤投与,癌化学療法,創傷処置を受けた患者,病院通院中または透析クリニック受診中の患者において発生した肺炎を指す1).
VAPは重症患者の予後,集中治療に及ぼす経済的影響および将来の耐性菌発現に大きく関与しており,適切な対応が不可欠である.本稿ではいわゆるmulti-disciplinary ICUにおけるVAPの実態,診断,治療および予防について記述する.具体的には米国胸部疾患学会が発表したガイドラインおよびその後の報告を中心として解説を加えることとしたい1).
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