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特集 メタボリックシンドロームと循環器疾患
疫学研究からみたメタボリックシンドローム
Epidemiology of Metabolic Syndrome
斎藤 重幸
1
Shigeyuki Saito
1
1札幌医科大学医学部第二内科
1Second Department of Internal Medicine, Sapporo Medical University
pp.955-962
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100879
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はじめに
冠動脈疾患の古典的危険因子として高血圧,耐糖能異常,高脂血症,喫煙は管理の対象として確立している.特に,動脈硬化巣にコレステロールが証明され,これを供給するLDLコレステロールレベルに対する介入が虚血性心疾患の予防の最大ターゲットとなった.この戦略はスタチンを用いた多くの大規模臨床試験のpositiveな成績に裏付けられ,コレステロール低下療法は,米国の虚血性心疾患による死亡率低下に大きな役割を果たした.しかしながら,近年コレステロールレベルの低下にもかかわらず虚血性心疾患発症率,死亡率の低下は鈍り,あるいは他の動脈硬化性疾患予防のためにLDL管理にプラスする戦略が必要となった.メタボリックシンドローム(MetS)は厳密なLDLコレステロール管理に加えてLDL以外の軽症リスクの集積を疾患概念として想定することにより,これを達成しようとするものである.
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