増刊号 メタボリックシンドローム健診検査技術マニュアル
総論
10. メタボリックシンドロームの疫学
宮崎 滋
1
1東京逓信病院内科
pp.1086-1095
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101875
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はじめに
近年,メタボリックシンドロームに対し,医療従事者,研究者のみならず,一般の人の間でも大変関心が高い.わが国でも2005年に診断基準が発表され,その必須項目に腹囲(ウエスト周囲径)が採用され,男性85cm,女性90cmという数値が健常者でも達しうるものであり,人ごとではなくなったということもある1).
しかし,問題はわが国においても肥満と判定される人が増加し,メタボリックシンドロームの基盤となる病態である内臓脂肪を過剰に蓄積した人が増えたことにある.この結果,動脈硬化性疾患である心血管疾患,脳血管疾患の増加が生じており,将来的にますます増加することが危惧されている.
本稿では,メタボリックシンドロームの発症の最上流にある生活習慣の乱れから,肥満を生じ,内臓脂肪蓄積を介し,アウトカムである動脈硬化性疾患発症までについて疫学的に検証してみたい.
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