Japanese
English
綜説
サルコイドーシスをめぐる最近の話題
Current Topics on Sarcoidosis
半田 知宏
1
,
長井 苑子
2
Tomohiro Handa
1
,
Sonoko Nagai
2
1京都大学医学部附属病院呼吸器内科
2京都健康管理研究所中央診療所
1Department of Respiratory Medicine, Kyoto University Hospital
2Central Clinic of Kyoto
pp.547-554
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100869
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はじめに
サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫形成性疾患である.その原因は未だ明らかとはなっていないが,遺伝的素因(疾患感受性あるいは抵抗性)と環境要因がともにその発症に関与すると考えられており,それを示唆する知見が蓄積されてきた.
疾患概念自体についても再認識が迫られており,サルコイドーシスが全身性(多臓器)疾患であるとする認識に重点が置かれ,それに基づいて診断基準の改訂が行われている.
肺病変については,従来の肺胞領域にみられる肉芽腫病変に加え,気道病変が比較的高頻度に認められることが近年認識されてきた.また,肺高血圧症の合併も稀ではないことが報告されている.これらの広義の肺病変それぞれが他の臓器病変あるいは全身性病変とどのような関連があるのか,それがサルコイドーシスという病態の単一性あるいは多様性なるものを示唆しうるかどうかなど,解決すべき問題は多く残されているが,まずは肺病変の多様性の認識が協調されるべき点である.
本稿では,病因論,肺病変の病態生理に焦点を当て,自験例を交えて概説する.
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