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Current Opinion
心臓サルコイドーシス―最近の話題
Cardiac Sarcoidosis:The latest topics
矢崎 善一
1
Yoshikazu Yazaki
1
1信州大学医学部附属病院循環器内科
1Division of Cardiovascular Medicine, Shinshu University School of Medicine
pp.351-357
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100527
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心臓サルコイドーシスをめぐる最近1年間の話題
心臓サルコイドーシス(心サ症)の存在は,サルコイドーシス(サ症)の予後を左右することからその的確な診断と適切な治療が重要である1).昨年,心サ症における診断の手引きが改訂された.この新しい診断の手引き(本誌2006年9月号に掲載)は,心サ症に特徴的あるいは高頻度に認められる所見を主徴候とし重み付けを行っていることと,新たに心臓magnetic resonance imaging(MRI)のdelayed enhancementを加えたことにその特徴がある.
1993年に作成された旧診断の手引きは心臓から肉芽腫の得られた症例をもとに作成されているが,臨床的にサ症が明らかで心サ症に特徴的な臨床所見がいくつか認められても,どこかの臓器や組織(心臓以外でもよい)から類上皮細胞肉芽腫が証明されなければ診断が得られないことがその欠点とされる.しかしながら最近,海外における臨床の現場でも評価されており,多くの論文で現時点でのスタンダードとして用いられるに至っている1).新しい診断の手引きと,世界的に評価されてきた旧診断の手引きを2つ手元に置き,比較していく姿勢が今後は重要である.
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