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特集 Drug-Eluting Stent―その問題点と展望
DESによる血栓症のリスクと管理上の問題点―病理の立場から
Pathological Analyses of Predictors and Outcomes of Drug-Eluting Stent Thrombosis
井上 勝美
1
,
光藤 和明
1
,
延吉 正清
2
Katsumi Inoue
1
,
Kazuaki Mitsudo
1
,
Masakiyo Nobuyoshi
2
1倉敷中央病院循環器内科
2小倉記念病院
1Department of Cardiology, Kurashiki Central Hospital
2Kokura Memorial Hospital
pp.513-519
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100863
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はじめに
薬剤溶出性ステント(DES)は,従来の冠動脈インターベンション(PCI)の“アキレス腱”といわれてきた再狭窄の発生頻度を大幅に減少させることが可能であり,本邦においても2004年8月にsirolimus-eluting stent(CypherTMステント)が保険償還されて以来,急速に使用頻度が増加している.実際にその強力な新生内膜増殖抑制効果により,従来の金属性ステント(BMS)を凌駕して現在ではPCIの中核を占めるに至っている.
しかしながら,このCypherTMステント特有の血管壁における組織反応は,BMS留置時には特に重要視されなかった新たな問題点も生み出している.
本稿では,CypherTMステント留置後の剖検例より得られた冠動脈病理像の検討により,特に慢性期におけるステント血栓症(late~very late stent thrombosis)の問題に関して考察する.
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