Japanese
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Current Opinion
肺の血管炎症候群
Pulmonary Vasculitis
山崎 宜興
1
,
山田 秀裕
1
,
尾崎 承一
1
Yoshioki Yamasaki
1
,
Hidehiro Yamada
1
,
Shoichi Ozaki
1
1聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科
1Department of Internal Medicine, St.Marianna University School of Medicine
pp.921-925
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100855
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肺の血管炎症候群をめぐる最近1年間の話題
1 はじめに
肺は腎臓とともに血管炎を高頻度に併発する臓器の一つである.その理由には,大血管から毛細血管まで様々なレベルの血管が存在すること,血管も多く,特に肺胞隔壁の毛細血管が豊富であること,肺血管内皮細胞はプロスタグランディンやアンジオテンシンなどの血管作動性物質の重要な反応器官であること,気道を通じて外来抗原に曝露されやすいこと,などが考えられる.
全身性血管炎の分類はそのサイズによる1).肺の血管炎は全身性血管炎の一つのコンポーネントとしての臓器障害であり,その病態,臨床像は多彩である.肺の血管炎は小血管を障害するWegener肉芽腫症(WG),顕微鏡的多発血管炎(MPA),Churg-Strauss症候群(CSS),Henoch-Schonlein purpuraなどが代表的である.このうちWG,MPA,CSSは抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibodies;ANCA)が高頻度に検出され,ANCA関連血管炎と総称される(図1)2).ここでは主に肺血管炎を最も高頻度に併発し,肺病変が予後にも影響する3)ANCA関連血管炎について記載する.
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