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特集 肺高血圧症の最近の治療
肺高血圧症に対するボセンタン療法
Treatment of Pulmonary Hypertension with Bosentan
篠山 重威
1
Shigetake Sasayama
1
1浜松労災病院
1Hamamatsu Rosai Hospital
pp.901-908
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100716
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原発性肺高血圧症は,明確な原因なく肺動脈圧が持続的に高値を示す状態をいう.診断基準は,左室の弁疾患,心筋症,先天性心疾患,臨床的に問題となるような呼吸器系の結合織病,あるいは慢性血栓塞栓性の疾患を伴わずに平均肺動脈圧が安静時に25mmHg,運動時には30mmHgを超える場合とされている.
肺高血圧症の多くは進行性に右室不全を来し,早期に死に至る1).原発性肺高血圧症の頻度は人口100万人に対して1~2/年で2),その6%は家族性に発生するという2).家族性肺高血圧症の組織病理学的および臨床的所見は特発性のものと変わりはない3).また染色体優性に遺伝するが,遺伝子の浸透性は著明に低下することが知られている4).最近,TGF-β受容体のスーパーファミリーと原発性肺高血圧症の病因との関係が注目されている5~7).
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