巻頭言
求(球)道者とプロの仕事
一色 高明
1
1帝京大学医学部内科
pp.857
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100717
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夜のニュース番組でシアトルマリナーズのイチロー選手のインタビューをみる機会があった.特に印象に残ったので一部を紹介しておきたい.
「バッターとして満足感をおぼえるのはどんなとき?」という問いに答えたものだ.彼によれば,頭の中で考えた筋書きどおりにいったとき,つまり相手のピッチングの組み立てを読んで狙ったとおりの球を完璧に打ち返しそれがホームランになったとき,が最高だという.それはそうだと思う.さぞ気持ちいいことだろう.サンデーゴルファーでいえば,ドライバーでジャストミートしてフェアウェイの遠くに落ちるボールを見やるときの感じとでもいえるだろうか.「でも,もっと上の喜びがあります.ピッチャーに狙いを外されてバッティングの体勢を崩されてしまうとたいていは凡打にしかならないものですが,そんな時に,身体が自然に反応してしっかりと球を捉え,いい当たりのヒットを打つことができたとき,この時の満足感に勝るものはありません.」
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