Japanese
English
Current Opinion
心不全のCRT
Cardiac Resynchronization Therapy(CRT) for Severe Congestive Heart Failure
石川 利之
1
Toshiyuki Ishikawa
1
1横浜市立大学大学院医学研究科病態制御内科学
1Department of Medical Science and Cardiorenal Medicine, Yokohama City University Graduate School of Medicine
pp.441-445
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100573
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心不全に対するCRTをめぐる最近1年間の話題
重症心不全例においては,しばしば心筋障害により心室内伝導障害を呈し,QRS幅の広い完全左脚ブロック近似パターンを示す.心室中隔は奇異性運動を呈し,左室収縮の協調性は失われ,心機能は低下する.左室拡張例においては,僧帽弁輪が拡大し,しばしば僧帽弁閉鎖不全が起こる.前後乳頭筋の収縮の協調性が失われると僧帽弁逆流が増悪する.QRS幅と心機能は負の相関関係があるとされており,拡張型心筋症においてQRS幅が広いほど予後が不良であることが報告されている.
左室と右室をペーシングすることにより,左室収縮の協調性は回復し,僧帽弁逆流も改善する.両室ペーシングによる心室壁運動のresynchronizationおよびDDDペーシングによるPQ時間の至適化により心機能が改善する.その本質は失われた協調性の回復であり,両室ペーシングはその方法の一つに過ぎないので,広くcardiac resynchronization therapy(CRT)と呼ばれるようになった.
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