連載 本気で書く! 入院時サマリー! 患者情報,丸見え化プロジェクト・2
既往歴を,肉付けせよ!〜コピペはダメ.ゼッタイ.
徳田 嘉仁
1,2
1近江八幡市立総合医療センター救急総合内科
2滋賀家庭医療学センター
pp.1380-1385
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227106
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前回は,入院時サマリーに併存疾患・既往歴や内服薬,入院前ADL,認知機能,家族構成や介護支援状況など,多くの情報が十分に記載されていなかったため,work breakdown structure(WBS)注)が不十分となり,想起できなかったタスクがどんどん追加で発生して対応が後手に回ってしまった入院管理の一例を紹介した.
ちなみに,入院契機となった病態の情報を迅速に収拾し,速やかに治療プランを関係スタッフに明示することは,とても大切である.じっくりと入院時サマリーを書いたせいで,「抗菌薬の投与が3時間後になりました!」「救急外来に4時間も患者が放置されていました!」などになってはいけない.当たり前だが,ベッド調整も投薬もリハビリも食事も,すべてのオーダーは医師の指示がなければ始まらない.入院時サマリーを“本気で”記載し始めると夢中になって忘れがちになるが,改めてそこは強調しておきたい.タイムマネジメントと優先順位の選択は間違えないようにしよう.
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