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特集 心臓サルコイドーシス診療の新しい展開
心臓サルコイドーシスの臨床像
Clinical Features of Cardiac Sarcoidosis
土田 哲人
1
Akihito Tsuchida
1
1札幌鉄道病院循環器科
1Division of Cardiology, Hokkaido JR Sapporo Hospital
pp.925-931
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100449
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はじめに
サルコイドーシスは,肺,眼,心,皮膚,腎,神経および肝などの多数の臓器において非乾酪性肉芽腫形成と炎症細胞浸潤による組織傷害をもたらす全身性疾患である.その病因として,Propionibacterium acnes(アクネ菌)の反復感染とそれに対する免疫応答の異常が有力視されているが,その詳細は未だ不明な点が多い.本邦におけるサルコイドーシスの有病率は対人口10万人に対し10~20人1)と比較的稀な疾患であり,肺あるいは眼病変により発見されることが多く,循環器を専門とする医師の認知度が必ずしも高い疾患とはいえない.しかし,本邦では欧米と比較し心病変(心臓サルコイドーシス)の頻度が極めて高く2),また死亡の主因になっている3).完全房室ブロック,難治性不整脈,および重症心不全が死因となることから,fatal myocardial sarcoidosis(FMS)(図1)と呼ばれてきたが,適切な診断と早期の治療により予後を改善する可能性が報告されている.
本稿では,心臓サルコイドーシスの臨床像を中心に概説する.
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