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特集 呼吸器疾患と遺伝子多型
気管支喘息と遺伝子多型
Genetic Polymorphisms and Asthma
浅野 浩一郎
1
Koichiro Asano
1
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科
1Division of Pulmonary Medicine, Department of Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.807-811
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100432
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遺伝背景が50%しか一致していない二卵性双生児間での喘息発症一致率は,環境要因はほぼ同じと考えられるにもかかわらず20%前後である.これに対して,遺伝素因が100%一致する一卵性双生児間での喘息発症の一致率は40~70%と高率であり,喘息発症に遺伝素因が関与していることを強く示唆している.喘息の場合,罹患患者数が多いこと,発症年齢が低いために患者の両親・兄弟の遺伝子サンプルを収集しやすいことなど,遺伝学的研究に適した条件が揃っていることから,早くからその発症を規定する遺伝素因の研究が行われてきた.しかし,喘息は一つの遺伝子によって発症が規定されるいわゆる“遺伝病”(単一遺伝子疾患)とは異なり,複数の遺伝子と環境因子との複雑な組み合わせによって発症が規定されている多因子疾患であることが,その遺伝素因の解明を困難にしている.
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