Japanese
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特集 呼吸器領域の新しい薬物療法
気管支喘息
New Drugs for Asthma
浅野 浩一郎
1
Koichiro Asano
1
1東海大学医学部内科学系呼吸器内科学
1Division of Pulmonary Medicine, Department of Medicine, Tokai University School of Medicine
pp.301-306
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102441
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吸入ステロイド薬による喘息治療
喘息治療におけるキードラッグが吸入ステロイド薬であることは現在も将来も変わりない.その導入・普及に伴って喘息発作による救急外来受診や入院は顕著に減少,以前は年間6,000人を超えていた喘息死の数も2012年には2,000人以下となった.
現在わが国で臨床使用できる吸入ステロイド薬は,フルチカゾンプロピオン酸エステル,ブデソニド,モメタゾンフランカルボン酸エステル,ベクロメタゾンジプロピオン酸エステル,シクレソニドであるが,薬剤の違いと同等以上に重要なのが吸入デバイスの違いであり,前3者はドライパウダー吸入,後2者は噴霧式定量吸入(pMDI)である(フルチカゾンプロピオン酸エステルはpMDIもある).一方,中等量以上の吸入ステロイド薬を使用しているにもかかわらず喘息のコントロールが十分でない場合には,吸入ステロイド薬を増量するよりも長時間作用性の気管支拡張薬の併用が有用である.特に長時間作用性吸入β2刺激薬はその強力な気管支拡張作用に加え,吸入ステロイド薬との配合剤治療が可能という利便性から急速に使用頻度が増えている.現在わが国で使用可能な吸入ステロイド薬/長時間作用性吸入β2刺激薬配合剤にはフルチカゾン/サルメテロールおよびブデソニド/ホルモテロールがある.
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