Japanese
English
綜説
JSAP研究の教えるもの―低リスク安定労作性狭心症に対する薬物療法とインターベンション療法の“短期予後とコスト”および“長期予後”に関する無作為介入試験
Japanese Stable Angina Pectoris Study
西垣 和彦
1
,
藤原 久義
2
Kazuhiko Nishigaki
1
,
Hisayoshi Fujiwara
2
1岐阜大学医学部附属病院医療福祉支援センター・第2内科
2岐阜大学大学院医学研究科再生医科学循環器内科・第2内科
1Second Department of Internal Medicine Gifu University School of Medicine
2Second Department of Internal Medicine Gifu University School of Medicine
pp.1263-1271
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100393
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
近年,狭心症治療の薬物療法,冠動脈形成術(PCI),そして冠動脈バイパス術(CABG)に関して,多施設で行われた大規模無作為比較試験よりエビデンスが多く得られている.しかし,欧米が中心であり,本邦では少数例を対象とした後向き研究が多く,十分に認められうる統計学的技法を用いたものは皆無である.特にわが国のインターベンション治療は,各医師個人の経験や治療理念に基づいた本邦的医療が行われており,これまで多施設の大規模無作為比較試験などはない.
そこで,本邦初の大規模無作為比較試験である『低リスク安定労作性狭心症に対する薬物療法とインターベンション療法の“短期予後とコスト” および“長期予後”に関する無作為介入試験(Japanese Stable Angina Pectoris Study:JSAP Study)』が,厚生科学研究費補助金健康科学総合研究事業(21世紀型医療開拓推進研究,効果的医療技術の確立推進臨床研究)である『我が国の冠動脈疾患に対する薬物・インターベンション治療の予後とコスト』(主任研究者:岐阜大学第2内科 藤原久義)のなかの,“我が国の冠動脈インターベンションに関する新規調査研究” のうちの一研究として開始された.
本稿では,JSAP Studyの基本理念とその方法を概説する.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.