特集 多胎妊娠2025
多胎児の予後 FLP治療を受けたTTTSの短期・長期予後
和田 友香
1
WADA Yuka
1
1国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター新生児科
pp.338-341
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002073
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はじめに
双胎間輸血症候群(twin-twin transfusion syndrome:TTTS)は治療法がなかった時代では生存率が非常に低かった。1960年から1970年代は羊水除去術が標準的な治療法となり,死亡率が50%まで低下した。しかし,長期的な予後は依然として厳しく,生存児の約20%に神経学的後遺症が,約14%に脳性麻痺(cerebral palsy:CP)が認められていた。1980年代後半から1990年初めにかけて胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(fetoscopic laser photocoagulation:FLP)が導入されて以降は,生存率が大幅に改善した1,2)。2000年代以降はガイドラインが作成されFLPが世界中で施行されるようになり,多くの児が救命されるようになった。

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